kawaguchiの日記

首都大学東京・経済学徒の講義ノート

経済学説史 第3回

○古代から中世へ

古代は、都市国家の時代から、帝国の時代へ変化し、思想もアジアの思想の影響を受け、共同体の思想から個人の思想へ変化した。

 

都市国家の思想(共同体主義的思想)

 政治的な共同体。政治、裁判、軍事などを一同でおこなう。拡張された家族ともいえる。

 アリストテレス:親愛の情、財の共同使用(所有は個人)

 

帝国主義の思想(個人主義的思想)

 犬儒学派ストア派エピクロス

 

犬儒学派

 ディオゲネスによって創始。極端な清貧思想を展開、実践した。モノに執着することを嫌った。理性主義を極端に推し進め、世俗の思想を否定。

 

ストア派

 ゼノンによって創始。感情よりも理性を重視し、世俗の価値観を否定した。感情とは、不確実な世界で生きていくために邪魔なものであり、理性によってそれを抑えることとする。

 

エピクロス

 エピクロスによって創始。当時はストア派よりも現代的な潮流を取り入れた思想だった。人間は単子的で、個々の独立として存在するとした。快楽を善とし、快楽と苦痛をはかりにかけて重いほうを行動にうつすこととした。ここでの快楽とは、精神、肉体的な満足ではなくて、冷静な思考である。

 

キリスト教

 イエスが創始。ユダヤ教に当時の思想的潮流を取り入れたもの。信者は奴隷が多かった。

 キリスト教の神話構造は、原罪→イエスの処刑→信仰。

 原罪はアダムとイブに始まる。イエスは処刑によって人々の原罪を償った。そして、人はイエスに願うことで原罪が赦されることになった。

 精神的な安心と富とは両立しないとして、金への執着を禁じた。パウロの「働かざるもの食うべからず」に代表される。しかし、教会の規模が発展するにしたがって、富に対して寛容になっていった。具体的には、富の所有は許すが、富への執着は禁じた。

 

宗教改革

 カルヴァンの予定説

 救済される人間はあらかじめ決まっているので、現世の善行は償いにならない。したがって、現世で清貧を追求するのではなく、富を蓄えて、現世での成功を奨励した。

 マックス・ウェバー

 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』では、勤勉と倹約という資本主義の精神は、カルヴァンの教え(プロテスタント)に合致するとした。自分の弱さ(貧困)を蔑視し、それに陥らないようにいそしむべき。しかし、旧教徒の中にも、富を追求する事業家(メディチ家など)はいたという反論がある。