kawaguchiの日記

首都大学東京・経済学徒の講義ノート

経済学説史 第2回

今回の講義は古代ギリシアアテネについて。

主なトピックは以下の3つ

 

 

 

地中海東方の小アジアの近くにポリスという都市国家を建設した。文字や鋳造貨幣の発明、航海技術の発達によって商業、貿易、金融が盛んになった。

その中の一都市であるアテネは面積が現在の東京都と同程度で、人口は40万人。政治に参画できる「市民」は3万人で、残りは奴隷あるいは残留外国人だった。

 

アテネの3つの政治改革を簡単に紹介する。

ⅰソロンの改革(B.C.7~6前半)

   資産によって市民を4つの区分に分け、それぞれに異なる権利を付与して、借金奴隷を禁止した。貨幣経済の弊害を取り除き、アテネの商業化を推進して、さらに人材の流動性を向上させる狙いがあった。

 

クレイステネスの改革(B.C.6末)

   政治単位を地区によって分け、評議会代表を500人くじで選出した。血縁政治を廃

止し、民主政治を安定化させる狙いがあった。

 

  ⅲペリクレスの改革(B.C.5中葉)

   貧民に観劇を許可。公職の資産条件を緩和。陪審員に手当てを付与。大衆を政治に取り込み、軍事力を強化させる狙いがあった。

 

  ソクラテス(B.C.469~399)

  「無知の知」:知らないということを知ること。相手に質問を投げかけ続けて、物事を実際には知らないということを思い知らせたという。弁論術が優れていた。プラトンの師匠。「神々を冒涜し、若者を腐敗させた」といういわれなき罪で処刑された。

 

  古代アテネの貿易収支

  平地が少なく、乾燥した気候だったのでオリーブを輸出し、穀物などの食料品を植民市から輸入していた。また、近くに銀山があったので採掘した銀貨も輸出していた。

 

 

ソクラテスの弟子にあたる。『国家』、『ソクラテスの弁明』など対話篇の著作を後世に残した。特に『国家』では社会と個人の理想的な在り方を示している。よい指導者が軍をうまく統制するように、魂(感情)を上手く制御できるのが理想的だとしている。

 

政体の変化についても述べている。軍人政治⇒寡頭政治⇒民主政治⇒独裁政治という風に、自然に任すと政体は悪い方向へ流れると語っている。すべては指導者が富を持つことが原因であり、指導者の私有財産は禁止されるべきだと主張した。

 

 

プラトンの私塾である「アカデメイア」でプラトンに師事した。アレクサンドロス大王の少年期の家庭教師である。概念は人々に知覚されることで初めて存在しうるという経験論を説いた。

 

物事には究極的な「目的」があり、それを満たすことが「自然」であるとしている。たとえば、かれは奴隷を「自然」という観点で肯定している。世には人に従う人と人に命令する人がおり、前者に適しているならばそれは「自然」であるということだ。一方、商業・貿易・金融は「不自然」だとしている。人が得る富は有限であるのに、それに反して富を得ようというのはおかしい。したがってそれらは「目的」から逸脱しており「不自然」だということだ。

 

アリストテレスは貨幣観についても言及している。貨幣の「目的」は物々交換の不便を取り除くことが「目的」である。その目的を満たす用法であれば「自然」であるが、金融のような利付きの貸し借りは「目的」を逸脱しており、したがって「不自然」だということである。

 

またプラトンに対しては指導者の幸福(富)を奪っておきながら彼らに市民に対して幸福をもたらそうとさせるのは理不尽であると批判している。理想的過ぎて現実に即しておらず、急進的だとしている。

 

ただ、アリストテレスは「自然」を説くなかで、プラトンと同じく共同体主義の利益はよしとするが、個人主義の利益はよくないという主張で一致している。