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kawaguchiの日記

首都大学東京・経済学徒の講義ノート

講義ノート【意思決定論 第1回】

意思決定論 第1回の講義

前期火曜3限の講義です。

 

今回は

意思決定とは何か

行動意思決定論とは何か

「成功要因」の神話と現実

の3つのトピックで構成されます。順に見ていきましょう。

 

意思決定とは何か

意思決定とは一言でいえば、物事を決めることです。もうちょっと具体的に表現すると、自分の未来の行動について複数の選択肢からひとつ選ぶことです。「今日の昼食は何にしようか」といった個人的な意思決定から企業の事業の意思決定まで幅広く定義することができます。意思決定論は組織論、戦略論、マーケティング、交渉学といった経営学の基礎をなしています。また、意思決定に重要なことは、自分で自分の行動を決めることです。他人が自分の行動を決定することではないです。

 

ちなみに、「意志決定」と間違うことがありますが、正しくは「意思決定」です。注意しましょう。

 

 

 

行動意思決定論とは何か

行動意思決定論とは、人間の意思決定がどのようにおこなわれているのか、何にどのように影響を受けているのかを、心理学や脳科学などのアプローチで探求する学問です。

人間の意思決定の本質を追求するものです。

 

 

 

「成功要因」の神話と現実

成功要因とは厳密に定義されているわけではありませんが、「それを実行すれば、それが原因となって企業が成功する」という理解でOKです。

 

では、「成功要因にのっとって意思決定をすれば、企業は成功するのでは?」と思うかもしれません。しかし、必ずしも成功するとは限らないというのが現実です。

 

本講義では、過去のベストセラーとなったビジネス書から

『エクセレント・カンパニー』

『ビジョナリー・カンパニー』

ブルーオーシャン戦略』

の3冊をとりあげ、そこから成功要因とされているものをピックアップしました。

 (※ピックアップ内容は省略します。)

 

ピックアップした成功要因を以下の4つから評価します。

1.あまりにも当然な項目

 たとえば、「価格競争力を高める」という要因があったとして、これが実現したならば成功するのは当然です。

2.実行しても成功しない可能性のある項目

 それを実行したのに失敗した事例が見つかる。いわゆる反例です。

3.反対のことをしても成功する可能性がある項目

 反対のことを実行しても成功した事例がみつかる。これも反例といえますね。

4.行き過ぎると、かえって成果が低くなる可能性がある項目

 

「それを実行して成功した」という項目のみで評価して、2と3のような反例を探し出す作業がほとんど見られません。こういった要因と企業の成功には相関関係はありますが、因果関係はないのです。

 

業績のいい企業は外から見ると、あたかも経営者が優秀で組織も戦略も優れているようにみなされやすいです。これをハロー効果といいます。

「美男美女はそれだけで人柄が良く、頭もいいとみなされやすい」というものハロー効果です。

 

したがって、経営の成功要因は体系化できないのです。だから、成功要因は前例でしかなく、自らのビジネスの意思決定問題にそのまま当てはまらないということです。

 

 

今回はここで終了